「Shopifyマーケットで海外向けに価格を変えたいのに、思ったところに反映されない」「B2B取引先ごとに卸価格を出し分けたいが、どの機能を使えばいいのか分からない」「実店舗とオンラインストアで同じ商品の値段を変えたら、POSと管理画面のどちらを触ればいいのか迷ってしまう」――Shopifyでマーケット展開やBtoB卸、実店舗運営を広げようとする事業者から、こうした声を頻繁に耳にします。
これらの悩みはすべて、Shopifyの「カタログ」機能を正しく理解し、地域向け・B2B向け・小売店舗向けという3種類の使い分けを押さえることで解決できます。カタログは、同じ商品ラインナップを複数の顧客セグメントに向けて、価格や公開・非公開を柔軟に出し分けるための土台となる仕組みです。この仕組みを誤解したまま設定を進めると、「価格が反映されない」「特定の取引先にだけ見せたい商品が全員に表示されてしまう」といったトラブルにつながりやすく、結果として売上機会の損失やオペレーションミスを招きかねません。さらに、価格表示の誤りは顧客からの信頼を損ねるだけでなく、返金対応や問い合わせ対応といった余計な工数増加にも直結するため、担当者一人ひとりが仕組みを正しく理解しておくことは、事業規模が大きくなるほど重要度を増していきます。
本記事は約2万数千字のボリュームで、Shopifyマーケットのカタログ機能の全体像から、地域別・B2B・小売の3タイプの違い、実際の管理画面操作を想定したステップバイステップの設定手順、複数カタログが重複した際の価格優先ルール、CSVを使った一括更新、そしてよくある設定ミスの回避策までを徹底解説します。なお、本記事は「カタログ機能の技術的な設定方法」に焦点を当てたものであり、「そもそも自社がBtoB向けECをShopifyで始めるべきか」という経営判断や機能の全体像については、別記事で詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。
この記事でわかること
- カタログとは何かという基本の仕組み――商品ラインナップと価格を顧客グループ別にカスタマイズするための土台となる機能であること
- 地域・B2B・小売という3タイプの違いと使い分け――「誰に」「どこで」売るかによって、選ぶべきカタログの種類がまったく異なること
- カタログ作成からマーケット割り当てまでの具体的な操作手順――管理画面のどこを開き、どの順番でクリックしていけばよいかという実務レベルの流れ
- 価格が重複した場合にどちらが優先されるかというロジック――複数カタログを組み合わせて運用する際に必ず押さえるべきルール
- サブマーケットへのカタログ継承の仕組み――親マーケットの設定がどこまで引き継がれ、どこからカスタマイズできるのか
- CSV一括更新やよくある設定ミスの回避策――商品点数が多いストアでも運用負荷を抑えながらカタログを管理するコツ
Shopifyマーケットの「カタログ」とは何か――機能の全体像を理解する
まず前提として、Shopifyにおける「カタログ」がどのような役割を持つ機能なのかを整理しておきましょう。カタログを一言で表すと、「同じ商品データベースの中から、特定の顧客グループに向けて見せる商品と価格をコントロールするためのレイヤー」です。Shopifyストアには通常ひとつの商品マスタ(商品ページ、バリエーション、在庫)が存在しますが、販売先によって「見せたい商品」「見せたくない商品」「提示したい価格」は異なります。この差分を管理するのがカタログの役割です。
マーケットとカタログの関係性
Shopifyには「マーケット(Markets)」という、販売対象の地域や取引先グループを定義する上位の概念があります。マーケットは「どの国・地域に、どの通貨・言語で販売するか」「どの取引先グループに、どういう条件で卸売りするか」といった販売単位そのものを表す箱です。これに対してカタログは、そのマーケットの中で「具体的にどの商品を、いくらで見せるか」を定義する中身にあたります。マーケットが器だとすれば、カタログはその器に注ぐ内容物というイメージを持つと理解しやすいでしょう。1つのマーケットに複数のカタログを割り当てることも可能で、逆に1つのカタログを複数のマーケットに使い回すこともできます。この柔軟性が、多国籍展開や複雑な卸売条件を持つ事業者にとって大きなメリットになる一方、初めて触る担当者にとっては「何が優先されるのか分かりにくい」という混乱の原因にもなります。
カタログが解決する3つの経営課題
カタログ機能が実務上どのような課題を解決するのか、具体的に整理すると以下の3点に集約されます。
- 価格差別化の課題――同じ商品でも、海外向けには為替や輸送コストを踏まえた価格を、法人取引先には数量に応じた卸価格を、実店舗には販売手数料を織り込んだ価格を、それぞれ別々に設定したいというニーズに応えます。
- 商品公開範囲の課題――季節限定品を特定の地域だけに公開したい、業務用の大容量パッケージは法人取引先にしか見せたくない、店舗限定モデルはPOSでのみ販売したいといった、公開・非公開の出し分けニーズに応えます。
- 運用の一元管理という課題――地域・卸・店舗ごとに別々のECサイトやシステムを構築するのではなく、単一のShopify管理画面の中でこれらすべてを完結させ、商品登録や在庫管理の二重管理を防ぎます。
カタログと旧・プライスリスト機能との違い
Shopifyを以前から利用している事業者の中には、「プライスリスト(Price List)」という名称の機能を覚えている方もいるかもしれません。プライスリストは価格の出し分けに特化した旧来の仕組みでしたが、現在のカタログ機能はこれを内包・拡張する形で統合されています。具体的には、価格調整だけでなく「どの商品を含めるか・除外するか」という商品ラインナップの制御、B2B向けの数量ルールや量ベース価格設定、小売店舗ごとの価格設定までを、カタログというひとつの概念のもとで一元的に扱えるようになっている点が大きな違いです。これから新規にShopifyでマーケット展開やB2B卸を始める事業者は、旧プライスリストの仕組みを意識する必要はなく、カタログの考え方だけを押さえておけば十分です。
地域別カタログ・B2Bカタログ・小売カタログの違いを徹底比較
カタログには大きく分けて3つの種類があり、それぞれ対象とする販売チャネルと利用条件がまったく異なります。この違いを理解しないまま設定を進めると、「地域向けカタログを作ったのに実店舗の価格が変わらない」といったミスマッチが起こりやすいため、まずは自社がやりたいことがどのタイプに該当するのかを明確にしましょう。
地域マーケット用カタログの特徴と利用シーン
地域マーケット用カタログは、オンラインストアにおいて「どの国・地域のお客様に、どの商品を、いくらで見せるか」をコントロールするためのものです。たとえば「アメリカ向けには送料と関税を織り込んで価格を15%上乗せする」「東南アジア向けには一部の季節限定商品を非表示にする」といった運用がこれにあたります。地域マーケット用カタログは、Shopifyのすべてのプランで利用可能であり、追加費用も発生しません。越境ECを検討している、あるいはすでに複数国に向けて販売しているストアであれば、まず最初に触れることになるカタログタイプです。
B2Bマーケット用カタログの特徴と利用シーン
B2Bマーケット用カタログは、法人取引先やロケーション単位で異なる商品ラインナップ・卸売価格を設定するためのものです。一般消費者向けの通常価格とは別に、特定の卸先企業だけに公開する業務用商品や、数量に応じた卸価格、最小発注数量(MOQ)といったBtoB特有の条件を設定できます。たとえば「A社には定番商品のみを卸価格の8掛けで提供する」「B社には業務用の大容量パッケージも含めて卸価格の7掛けで提供し、100個以上のまとめ買いにはさらに割引を適用する」といった、取引先ごとに異なる条件を同一のShopify管理画面内で完結させられる点が大きな価値です。基本的なB2Bカタログ機能は、標準的な料金プランでも追加費用なく利用できるようになっていますが、会社のロケーションに直接カタログを割り当てる機能や、請求書払い・前払いといった決済条件の詳細設定は、より上位のプランでのみ利用可能な場合があるため、契約中のプラン内容を確認しておく必要があります。
なお、「そもそもBtoB向けのEC事業をShopifyで始めるべきかどうか」「B2B機能全体でどこまでのことができるのか」といった戦略的な検討については、本記事のスコープを超えるため、詳しくはShopify B2BでBtoB向けECを始めよう!機能や注意点、代替策を解説で詳しく取り上げています。本記事はあくまで、すでにB2B運用を行っている、または行うことが決まっている事業者が、カタログという機能をどう技術的に設定していくかに焦点を絞っています。
小売マーケット用カタログの特徴と利用シーン(POS Pro・上位プラン限定)
小売マーケット用カタログは、実店舗(POS)での対面販売において、店舗ロケーションごとに異なる価格や商品公開範囲を設定するためのものです。たとえば「都心の旗艦店では通常価格で販売するが、郊外の店舗では在庫消化のために一部商品を値引き価格で提供する」「店舗限定カラーはPOSでのみ販売し、オンラインストアには表示しない」といった運用が可能になります。この小売マーケット用カタログは、POS Proのサブスクリプションを契約している、またはより上位のプランを利用しているストアでのみ利用できる機能です。実店舗を持たない、あるいは標準のPOS Liteのみで運用しているストアの場合はこの機能を利用できないため、複数店舗展開を検討している事業者は、POS Proへのアップグレードを含めて検討する必要があります。
3タイプの違いを一覧で比較する
| 比較項目 | 地域マーケット用カタログ | B2Bマーケット用カタログ | 小売マーケット用カタログ |
|---|---|---|---|
| 主な対象 | 国・地域別のオンライン顧客 | 法人取引先・会社ロケーション | 実店舗(POS)の来店客 |
| 価格調整の単位 | マーケット全体・商品個別 | 取引先・カタログ単位、数量帯別 | 店舗ロケーション単位 |
| 商品公開の出し分け | 地域ごとに可能 | 取引先ごとに可能 | 店舗ごとに可能 |
| 数量ルール・ボリューム価格 | 非対応 | 対応(最小発注数・ロット・段階値引き) | 非対応 |
| 利用可能プラン | 全プラン(追加費用なし) | 標準プランで基本機能利用可、一部は上位プラン限定 | POS Pro以上限定 |
| 紐づく決済チャネル | オンラインストア・多くの販売チャネル | B2Bオンラインストア(卸売用URL) | Shopify POS |
自社のケースはどれに当てはまるか――判断フローの実例
3タイプの違いを理解しても、「自社の場合はどれに当てはまるのか」を判断するのが難しいという声はよくあります。ここでは、実際によくある相談パターンをもとに、どのカタログを選ぶべきかを具体的に整理しました。
| やりたいこと(相談例) | 選ぶべきカタログ | 理由・補足 |
|---|---|---|
| アメリカ向けに為替差と輸送コストを織り込んだ価格を表示したい | 地域マーケット用カタログ | 販売先が「国・地域」の一般消費者であるため。全体調整による一律の価格上乗せが有効 |
| 季節限定の福袋商品を、日本国内向けにのみ公開したい | 地域マーケット用カタログ | 特定地域向けの商品公開・非公開の出し分けにあたるため |
| 取引先の卸売業者A社にだけ、業務用の大容量パッケージを見せて卸価格で売りたい | B2Bマーケット用カタログ | 特定の法人取引先への商品出し分け・卸価格設定にあたるため |
| 100個以上まとめて買ってくれる取引先には、さらに単価を下げたい | B2Bマーケット用カタログ(ボリューム価格) | 数量に応じた自動値引きはB2Bカタログ特有の機能であるため |
| 都心店舗は定価、在庫が余っている郊外店舗はセール価格にしたい | 小売マーケット用カタログ | 実店舗ロケーション単位の価格差別化にあたるため。POS Pro以上が必要 |
| オンラインと実店舗で、同じ商品を違う価格で売りたい | 地域マーケット用カタログ+小売マーケット用カタログの併用 | チャネルごとに異なるカタログタイプを組み合わせる典型パターン |
この表からも分かる通り、判断のポイントは「価格や商品を出し分ける軸が、地域なのか・取引先なのか・店舗なのか」という一点に集約されます。複数の軸を同時に満たしたい場合(例:海外の特定卸先にだけ特別価格を出したい)は、地域マーケットとB2Bマーケットのカタログを組み合わせて設計することになりますが、その場合は前述の価格優先ルールがより複雑に絡み合うため、設計段階で優先順位の設計図を作っておくことを強くおすすめします。
カタログ機能を使うための前提条件・料金プラン早見表
カタログ機能を使い始める前に、自社が契約しているShopifyプランでどこまでの機能が利用できるかを確認しておくことが重要です。プランによって使えるカタログ数の上限や、細かな価格設定の自由度が異なるため、想定している運用ができるかどうかを事前にチェックしましょう。
プラン別に使えるカタログ機能の目安
| 機能 | 標準プラン(Basic/Grow相当) | Advanced相当 | Plus相当 |
|---|---|---|---|
| 地域マーケット用カタログ | 利用可 | 利用可 | 利用可 |
| B2B基本カタログ(卸価格・商品出し分け) | 利用可 | 利用可 | 利用可 |
| 会社ロケーションへの直接カタログ割り当て | 制限あり | 制限あり | 利用可 |
| 請求書払い・分割払いなど決済条件の詳細設定 | 制限あり | 一部利用可 | 利用可 |
| 小売マーケット用カタログ(POS連携) | POS Pro契約が必要 | POS Pro契約が必要 | 標準搭載 |
| マーケットあたりの割り当て可能カタログ数の目安 | 少数(数個程度) | 中程度 | 多数 |
上記はあくまで目安であり、Shopifyの料金体系や機能範囲は改定されることがあるため、実際に契約する前には必ず管理画面上の最新情報、または担当のパートナー企業に確認することをおすすめします。特にB2B機能は近年アップデートの頻度が高く、以前は上位プラン限定だった機能が標準プランに解放されるケースも増えています。
「会社」と「ロケーション」の構造を理解しておく
B2Bカタログを正しく設定するためには、Shopifyの管理画面上で「会社(Company)」と「ロケーション(Location)」という2つの階層を理解しておく必要があります。会社は取引先企業そのものを表す単位で、その配下に複数の「ロケーション」(発送先や請求先となる拠点)をぶら下げることができます。たとえば同じ取引先企業でも、本社と支店で異なる担当者・異なる納品条件を持つ場合、それぞれをロケーションとして登録し、ロケーション単位でカタログを直接割り当てることで、より細かい価格コントロールが可能になります。この構造を理解せずにカタログを設定すると、「会社全体には正しい価格が出ているのに、特定の支店だけ違う価格になっている」といった意図しない挙動に悩まされることがあるため、事前に取引先の組織構造を整理しておくことを強くおすすめします。
カタログ設定、ここまでで難しいと感じたら
ここまで読んで、「自社の場合はどのカタログをどう組み合わせればいいのか判断がつかない」「設定を試したが価格が意図通りに反映されない」と感じた方も多いのではないでしょうか。ec-retail-ads.comでは、Shopifyストアの「集める(SEO・EC広告による集客)」「作る(サイト構築・機能実装を含むEC制作)」「伸ばす(データ分析・改善によるグロース支援)」までをワンストップでご支援しています。マーケットやカタログといった複雑な設定周りのご相談も承っておりますので、お気軽にご相談ください。
【ステップバイステップ】地域別カタログの作成・設定手順
ここからは、実際の管理画面操作をイメージしながら、地域マーケット用カタログを作成する具体的な手順を解説します。初めて設定する方でも迷わないよう、できるだけ細かいステップに分けて説明します。
事前準備としてマーケットを開設しておく
カタログを設定する前に、対象となる地域マーケットがすでに作成されている必要があります。まだマーケットを作成していない場合は、先にマーケットの設定を済ませておきましょう。
- 管理画面の左メニューから「設定」を開き、「マーケット」を選択する
- 「マーケットを追加」をクリックし、販売したい国・地域を選択する(複数国をまとめてひとつのマーケットにすることも可能)
- マーケットの名称(管理用のラベル)を入力する
- そのマーケットで使用する通貨、対応言語、ドメイン設定(サブフォルダ・サブドメインなど)を必要に応じて設定する
- 「保存」をクリックしてマーケットを確定する
カタログを新規作成する
- 管理画面の「設定」>「マーケット」の中にある「カタログ」タブ、またはマーケット管理画面内の「カタログ」セクションに進む
- 「カタログを作成」ボタンをクリックする
- カタログのタイトル欄に、後から見て分かりやすい名称を入力する(例:「北米向け価格調整カタログ」「アジア地域限定商品カタログ」など、対象と目的が分かる名前が望ましい)
- 公開状況を「アクティブ」(作成後すぐに反映)と「下書き」(設定を確認してから反映)のどちらにするか選択する。初めて設定する場合は、まず「下書き」で作成し、内容を確認してから「アクティブ」に切り替えることを推奨する
- 「保存」をクリックし、カタログの器を確定する
価格を設定する(全体調整と個別価格の2つの方法)
カタログ内での価格設定には、大きく分けて「全体に対する一括調整」と「商品ごとの個別価格指定」の2つの方法があります。両者は併用が可能で、個別価格を設定した商品は全体調整の影響を受けません。
- 作成したカタログの編集画面に入り、「価格」セクションを開く
- 全体調整を行う場合は、「価格調整」の欄にパーセンテージの数値を入力し、「引き上げ」または「引き下げ」のどちらかを選択する(例:為替と輸送コストを織り込んで12%引き上げる場合は「12%」「引き上げ」と設定する)
- 個別に価格を指定したい商品がある場合は、商品一覧セクションから該当商品を選び、「固定価格(Fixed Price)」の欄に具体的な金額を直接入力する
- 設定価格に使用する通貨を選択する。ここで選んだ通貨はあくまで価格の入力・管理上の通貨であり、実際にお客様が決済する通貨はマーケット側の通貨設定に従う点に注意する
- 設定内容をプレビュー機能で確認し、意図した価格になっているかをチェックする
- 問題なければ「保存」をクリックする
商品の追加・除外を管理する
カタログを新規作成した直後は、デフォルトですべての商品がそのカタログに含まれる状態になっています。特定の商品だけを地域限定で非公開にしたい場合は、以下の手順で除外設定を行います。
- カタログ編集画面の「商品」セクションを開く
- 除外したい商品にチェックを入れる(検索窓やコレクション絞り込みを使うと、商品点数が多い場合でも効率的に対象を選べる)
- 選択後、「カタログから除外する」を実行する
- 今後追加される新商品を自動的にこのカタログへ含めるかどうかを、「新しい商品を自動的に含める」のスイッチで設定する。デフォルトはオンになっているため、地域限定販売を厳密に運用したい場合は、意図的にオフへ切り替えることを検討する
- 逆に、一度除外した商品を再度含めたい場合は、除外リストから当該商品を選び「カタログに追加する」を実行する
マーケットへの割り当てと公開前のテスト
- カタログ編集画面のタイトル欄付近にある「マーケットを追加」をクリックする
- 表示された一覧から、このカタログを適用したい地域マーケットを選択する(複数マーケットへの同時割り当ても可能)
- 反対に、マーケット側の編集画面からカタログを割り当てることもできる。「設定」>「マーケット」で対象マーケットを開き、「カタログ」項目の横にある追加アイコンをクリックし、割り当てたいカタログを選択する
- 割り当てが完了したら、公開状況を「アクティブ」に変更する
- 該当地域からのアクセスを想定したプレビューモード、またはVPN等を利用したテストアクセスで、実際に価格や商品公開範囲が意図通りに表示されているかを確認する
- 問題がなければ本番運用を開始し、問題があれば価格設定や商品の追加・除外設定に戻って調整する
B2Bカタログの設定手順と卸売価格・数量ルールの作り方
続いて、法人取引先向けのB2Bカタログについて、卸売価格の設定から数量ルール、ボリュームディスカウントの作り方まで解説します。B2Bカタログは地域マーケット用カタログと基本的な操作の流れは似ていますが、取引先という概念が加わる分、設定項目がやや複雑になります。
B2Bカタログの作成フロー
- 事前に「設定」>「マーケット」内で、B2B用のマーケット(卸売マーケット)を作成しておく。すでにB2Bマーケットが存在する場合はこの手順は不要
- 取引先となる「会社(Company)」を管理画面上で登録する。会社名、担当者、請求先・発送先となるロケーション情報を入力する
- 「カタログ」セクションから新規カタログを作成し、タイトルに取引先や用途が分かる名称を付ける(例:「A社向け卸売カタログ」「業務用大容量ライン専用カタログ」)
- 「商品」セクションで、この取引先に見せたい商品のみを選択する。一般消費者向けには非公開の業務用商品や大容量パッケージをここに含めることも多い
- 「価格」セクションで卸売価格を設定する。全体を定率で割り引く方法(例:通常価格から30%オフ)と、商品ごとに個別の卸価格を固定値で入力する方法を併用できる
- 「マーケットを追加」からB2Bマーケットを割り当てるか、あるいは特定の会社・ロケーションに直接このカタログを割り当てる(会社ロケーションへの直接割り当てはプランによって利用条件が異なる点に注意)
- 公開状況を「アクティブ」にし、取引先アカウントでログインした状態のB2Bオンラインストア(卸売用URL)で表示を確認する
数量ルール(最小発注数・ロット単位)の設定方法
B2B取引では「1個から購入できる」のではなく、「10個単位でしか発注できない」「最低50個から」といった業務上の制約があるケースが一般的です。Shopifyのカタログでは、これを商品単位で設定できます。
- B2Bカタログ内の商品一覧から、数量ルールを設定したい商品を選択する
- 「数量ルール」の設定項目を開く
- 「最小注文数量」に、その商品を発注できる最低数量を入力する(例:10)
- 「最大注文数量」を設定する場合は、上限となる数量を入力する(在庫過多を防ぎたい場合などに利用)
- 「増分(購入単位)」を設定し、何個単位でしか増減できないかを指定する(例:5個単位でしか増やせない場合は「5」と入力)
- 設定内容を保存し、B2Bオンラインストア側のカート画面で、指定した数量以外では購入できない挙動になっているかを確認する
量ベースの価格設定(ボリュームディスカウント)の作り方
まとめ買いに応じて単価が自動的に下がる「ボリュームディスカウント」も、B2Bカタログの重要な機能のひとつです。数量帯ごとに異なる単価を設定でき、1商品あたり複数段階の価格帯を用意することができます。
- B2Bカタログ内の対象商品を開き、「数量に応じた価格設定」または「ボリューム価格」のセクションに進む
- 「価格帯を追加」をクリックする
- 数量の下限(例:50個以上)を入力し、その数量帯に適用する単価または割引率を設定する
- 必要に応じてさらに価格帯を追加する(例:100個以上でさらに割引、500個以上で最大割引、というように複数段階を設定可能。商品ごとに設定できる価格帯には上限があるため、事業の卸売条件に合わせて優先度の高い段階から設定する)
- すべての価格帯を設定したら保存する
- 取引先アカウントでカートに数量を追加し、指定した数量に達したタイミングで単価が自動的に切り替わることを確認する
これらの数量ルールやボリューム価格は、あくまで「すでにB2B運用の方針が固まっている」ことを前提とした技術的な設定です。自社の卸売条件をどう設計すべきか、そもそも直販とB2B卸のどちらに注力すべきかといった戦略設計の部分でお悩みの場合は、前述のShopify B2BでBtoB向けECを始めよう!機能や注意点、代替策を解説を先にご覧いただくことをおすすめします。
小売店舗別カタログとPOS連携の設定ポイント
実店舗を複数運営している事業者にとって、店舗ごとに異なる価格戦略を取りたい場面は少なくありません。ここでは、小売マーケット用カタログを使って店舗ロケーションごとに価格を出し分ける手順を解説します。なお、この機能を利用するにはPOS Proの契約、またはそれに準ずる上位プランの契約が前提条件となります。
店舗ロケーションごとに価格差をつける設定手順
- 管理画面の「設定」>「マーケット」から、小売(店舗)マーケットのセクションに進む。店舗ごとのロケーションがまだ登録されていない場合は、先に「設定」>「ロケーション」で各店舗を登録しておく
- 「カタログを作成」から新規カタログを作成し、対象店舗が分かるタイトルを付ける(例:「郊外店舗セール価格カタログ」)
- 「商品」セクションで、価格や公開範囲を調整したい商品を選択する
- 「価格」セクションで、その店舗限定の価格を全体調整または個別価格で設定する
- カタログのマーケット割り当て画面から、対象となる店舗ロケーションを選択して割り当てる
- 公開状況を「アクティブ」にし、対象店舗のPOSレジ端末で該当商品の価格が正しく切り替わっているかを実機で確認する
オンラインストアと実店舗で価格を分ける際の注意点
オンラインストアと実店舗とで異なる価格を設定する運用は、いわゆる「オムニチャネル価格差」としてよくある戦略ですが、いくつか注意すべき点があります。まず、同一商品にオンライン向けカタログと店舗向けカタログの両方が適用される場合、どちらの価格が優先されるかを事前にテストしておく必要があります。また、店舗スタッフがPOSレジで価格差を正しく認識していないと、店頭での価格説明時に混乱が生じる可能性があるため、運用ルールをスタッフ向けに明文化しておくことも重要です。加えて、オンラインと店舗の価格差が大きすぎると、SNSなどを通じて価格差そのものが話題になり、ブランドイメージに影響するケースもあるため、価格差の理由(在庫処分、店舗限定サービス費用の織り込みなど)を顧客に説明できる状態にしておくことをおすすめします。
サブマーケットへのカタログ継承と価格優先順位のルール
グローバル展開が進むと、「北米」という大きなマーケットの中に「アメリカ」「カナダ」といった国別のサブマーケットを作りたいケースが出てきます。ここでは、親マーケットとサブマーケットの間でカタログ設定がどのように継承され、複数カタログが重複した場合にどちらの価格が優先されるのかを解説します。
親マーケットとサブマーケットの継承の仕組み
- 既存のマーケット(例:「北米」)の編集画面を開く
- 「サブマーケットを追加」を選択し、国・地域を指定してサブマーケットを作成する(例:「北米」の下に「カナダ」を作成)
- 作成した時点で、サブマーケットは親マーケットに割り当てられているカタログ設定をデフォルトで自動的に引き継ぐ
- サブマーケット独自の価格調整をしたい場合は、サブマーケット専用の新しいカタログを作成し、そのサブマーケットにのみ割り当てる
- サブマーケット専用カタログを割り当てた場合、親マーケットのカタログとサブマーケットのカタログが両方適用される状態になる
複数カタログが重複したときの価格決定ロジック
同一商品が複数のカタログに含まれている場合、どちらの価格が最終的に採用されるのかは、地域マーケットとB2Bマーケットで異なるロジックが適用されます。この優先順位を理解していないと、「安くしたつもりが高いままだった」「逆に意図せず安く出てしまった」といったトラブルにつながるため、必ず押さえておきましょう。
| ケース | 優先される価格のルール |
|---|---|
| 地域マーケットで、異なる商品を含む複数カタログが割り当てられている場合 | 両方のカタログの商品がすべて表示される(商品の重複がないため優先順位の問題は発生しない) |
| 地域マーケットで、同一商品が複数カタログに含まれている場合 | より価格が低いカタログの設定が優先的に表示される |
| 親マーケットのカタログとサブマーケット専用カタログに同一商品が含まれる場合 | より対象範囲が限定的(具体的)なサブマーケット側のカタログ設定が優先される |
| B2Bで、会社ロケーションに直接割り当てたカタログと、B2Bマーケット経由で割り当てたカタログに同一商品が含まれる場合 | 会社ロケーションに直接割り当てたカタログ(より具体的な設定)が優先される |
この優先順位のルールを踏まえると、「全体には汎用的な価格調整カタログを割り当てておき、特定の地域や取引先だけ例外的に安くしたい場合は、より対象範囲が狭いカタログを追加で作成し、そちらに個別価格を設定する」という運用パターンが基本形になります。逆に、意図せず複数の低価格カタログを重ねて割り当ててしまうと、想定より大幅に安い価格が表示されてしまうリスクがあるため、カタログを追加する際は必ずどのカタログが優先されるかをプレビューで確認する習慣をつけましょう。
カタログ運用を効率化するCSV一括更新とよくある設定ミス
商品点数が数百、数千に及ぶストアの場合、管理画面上でひとつずつ価格を入力していくのは現実的ではありません。ここでは、CSVを使った一括更新の手順と、カタログ運用でつまずきやすいポイントを整理します。
CSVで価格を一括更新する手順
- 対象のカタログを開き、「商品」セクションの「エクスポート」を選択する
- 現在のカタログに含まれる商品と価格情報がCSV形式でダウンロードされる。初回はこのフォーマットをそのまま流用するのが確実である
- ダウンロードしたCSVを表計算ソフトで開き、「固定価格(Fixed Price)」の列に、更新したい価格を入力していく。数量ルールやボリューム価格に対応した列がある場合は、それらも必要に応じて編集する
- 編集が終わったCSVを保存する(文字コードや列構成を変更しないよう注意する)
- カタログ編集画面の「商品」セクションから「インポート」を選択し、編集済みのCSVファイルをアップロードする
- アップロード後に表示されるプレビュー画面で、変更内容に誤りがないかを必ず確認する
- 問題がなければインポートを実行し、反映が完了したらカタログの表示を再度確認する
陥りやすい5つの設定ミスと回避策
| よくある設定ミス | 回避策 |
|---|---|
| 地域向けカタログを作ったのに、実店舗の価格を変えたつもりになっている | 対象チャネルが「オンラインの地域」なのか「実店舗」なのかを最初に明確にし、正しいカタログタイプ(地域用/小売用)を選ぶ |
| 「新しい商品を自動的に含める」設定がオンのままで、公開したくない新商品が意図せず表示されてしまう | 限定販売や先行公開を厳密に管理したい場合は、該当カタログの自動追加設定を事前にオフにしておく |
| 複数の値引きカタログを重ねて割り当てた結果、想定より大幅に安い価格が表示される | カタログを追加する前に、既存カタログとの重複商品がないかを確認し、必ずプレビューで最終価格をチェックする |
| カタログの通貨設定と、マーケットの決済通貨の違いを理解しておらず、価格が意図と異なって見える | カタログの通貨はあくまで価格入力・管理上のものであり、実際の決済通貨はマーケット設定に従うことを理解した上で設定する |
| B2Bの会社ロケーションへの直接割り当てができず、意図した取引先だけに価格が反映されない | 契約プランで会社ロケーションへの直接割り当てが利用可能かを事前に確認し、利用できない場合はB2Bマーケット経由での割り当てで代替する |
これらのミスの多くは、「カタログを作ってすぐに本番公開する」のではなく、「下書き状態で作成し、プレビューやテストアカウントで表示を確認してからアクティブ化する」という運用ルールを徹底することで防げます。特に価格に関する設定ミスは、顧客からの信頼低下や返金対応といった実害に直結しやすいため、公開前チェックの体制を社内で整えておくことを強くおすすめします。
API・自動化ツールを使ったカタログ運用の高度化
仕入れ価格や為替レートが頻繁に変動する事業者、あるいは商品点数が非常に多いストアでは、管理画面での手動更新やCSVインポートだけでは運用が追いつかないケースがあります。そうした場合は、Shopifyの管理者向けAPIを利用して、外部の基幹システム(ERPや在庫管理システム)と連携し、価格変更を自動的にカタログへ反映させる仕組みを構築することも検討に値します。たとえば、仕入れ原価が一定以上変動した際に自動で通知を飛ばし、承認フローを経てカタログの価格を更新するといった運用フローや、為替レートを毎日取得して地域マーケット用カタログの価格調整率を自動計算するような仕組みも実現可能です。また、Shopify Flowのような自動化アプリと組み合わせることで、「在庫がしきい値を下回ったら特定カタログから商品を自動除外する」といった、在庫連動型のカタログ制御を組むことも可能です。こうした自動化は初期構築の手間がかかる分、運用フェーズに入ってからの人的ミスと工数を大幅に削減できるため、商品点数や取引先数が一定規模を超えたタイミングで導入を検討する価値があります。
ただし、API連携や自動化の仕組みは一度構築すれば終わりではなく、Shopify側の仕様変更に追随したメンテナンスが継続的に必要になります。社内にエンジニアリソースがない場合は、まずは手動運用とCSV一括更新の組み合わせで安定運用を確立し、事業の成長に合わせて段階的に自動化へ移行していくアプローチが現実的です。
カタログ運用とSEO・EC広告の連携で注意すべきポイント
カタログ機能は価格や商品公開範囲を出し分ける仕組みですが、その設定はSEOや広告運用にも影響を及ぼします。「集客導線を設計する」という視点が抜け落ちたままカタログを組んでしまうと、せっかく地域別に最適化した価格設計をしても、検索エンジンや広告プラットフォームがそれを正しく認識できず、機会損失につながることがあります。ここでは、EC広告・SEOの実務者として押さえておきたい3つの観点を紹介します。
Google広告・Merchant Centerのフィードとカタログの整合性
Google広告のショッピング広告やMerchant Centerに商品フィードを連携している場合、フィード側の価格・在庫情報とカタログで設定した表示価格に食い違いがあると、審査落ちや広告の非承認、最悪の場合はアカウント停止のリスクにつながります。特に地域別カタログで価格調整を行った直後は、連携している商品フィードアプリやAPI連携が新しい価格を正しく取得できているかを必ず確認しましょう。マーケットごとにフィードを分けて配信している場合は、マーケットとカタログの組み合わせが変わるたびに、対応するフィード側の設定も見直す運用フローをあらかじめ決めておくことをおすすめします。
重複コンテンツとカノニカル設定への配慮
地域マーケットをサブフォルダやサブドメインで展開している場合、同じ商品ページが複数のURLで存在することになります。カタログによって価格や商品の公開・非公開が地域ごとに異なっていても、商品説明文などのコンテンツ自体が同一であれば、検索エンジンからは重複コンテンツと判定されるリスクがあります。hreflangタグを正しく設定し、各地域向けページが独立した評価を受けられるようにしておくことは、カタログ運用と並行して必ず整備しておきたいポイントです。また、特定地域向けにのみ商品を非公開にする設定を行った場合、その商品ページが検索結果やサイトマップに残ったままにならないよう、noindexやカノニカルの扱いも合わせて確認しておくと安心です。
B2Bカタログの非公開商品と検索流入の切り分け
B2Bカタログで特定取引先にのみ公開している業務用商品は、通常は一般の検索結果からアクセスされるべきではありません。しかし、商品ページ自体が独立したURLとして存在し、かつサイトマップやオーガニック検索にインデックスされてしまっていると、ログインしていない一般ユーザーがそのページにたどり着き、購入できないままカゴ落ちしてしまうという体験の悪化を招きます。B2B専用商品はカタログでの出し分けに加えて、検索エンジン向けのインデックス制御も併せて行うことで、SEO流入とBtoB卸売導線をきれいに切り分けることができます。こうしたSEO・広告とカタログ設計を横断した最適化は、社内に専任担当者がいない場合、外部の専門パートナーに相談しながら進めるのが効率的です。
カタログ運用の設計・実装を、まるごとお任せいただけます
地域・B2B・小売という3種類のカタログを組み合わせた価格設計は、事業が拡大するほど複雑になりやすい領域です。ec-retail-ads.comは、Shopifyストアの「集める(SEO・EC広告での集客支援)」「作る(マーケット・カタログ設計を含むEC制作)」「伸ばす(データに基づく分析・改善)」までを一気通貫でサポートしています。自社の卸売条件や店舗展開に合わせたカタログ設計でお困りの際は、ぜひ無料相談をご活用ください。
よくある質問
カタログと旧来のプライスリスト機能は何が違いますか?
プライスリストは価格の出し分けに特化した旧来の仕組みでしたが、現在のカタログ機能は価格調整に加えて、商品の追加・除外、B2Bの数量ルールやボリューム価格、小売店舗ごとの価格設定までを統合的に扱える上位互換の機能です。これから新規に設定する場合は、プライスリストという言葉を意識する必要はなく、カタログの考え方だけを理解しておけば十分です。
B2Bカタログは無料プランでも使えますか?
B2Bカタログの基本的な機能(取引先ごとの商品出し分け、卸売価格の設定、数量ルール、ボリューム価格)は、標準的な有料プランであれば追加費用なしで利用できるようになっています。ただし、会社のロケーションへの直接割り当てや、請求書払い・分割払いといった決済条件の詳細設定は、より上位のプランでのみ利用可能な場合があるため、自社の契約プランで対応範囲を確認しておく必要があります。プラン体系は改定されることがあるため、最新情報は管理画面またはパートナー企業に確認するのが確実です。
同じ商品が複数のカタログに含まれている場合、価格はどう決まりますか?
地域マーケットの場合は、より価格が低いカタログの設定が優先的に表示されます。B2Bマーケットの場合は、会社ロケーションに直接割り当てたカタログのように、より対象範囲が限定的で具体的な設定が優先されます。親マーケットとサブマーケットの関係でも同様に、より具体的なサブマーケット側の設定が優先されるという考え方が基本になります。複数カタログを組み合わせる際は、必ずプレビューで最終的に表示される価格を確認することをおすすめします。
カタログを作成・変更してから、実際の価格表示に反映されるまでどれくらい時間がかかりますか?
カタログの公開状況を「アクティブ」にした時点で、基本的にはほぼリアルタイムに近い形で反映されます。ただし、ブラウザやCDNのキャッシュ、モバイルアプリ側のキャッシュなどにより、実際の画面表示にタイムラグが生じることがあるため、設定変更後は必ずキャッシュをクリアした状態、またはシークレットウィンドウなどで表示を再確認することをおすすめします。
ひとつのマーケットに割り当てられるカタログの数に上限はありますか?
はい、上限があります。契約しているプランによって、ひとつのマーケットに割り当てられるカタログの最大数が異なり、上位プランほど多くのカタログを組み合わせて運用できる傾向にあります。特にB2Bマーケットでは、マーケット経由で割り当てられるカタログ数に一定の上限が設けられているため、多数の取引先を個別管理したい場合は、会社ロケーションへの直接割り当てと組み合わせる、あるいは上位プランへのアップグレードを検討する必要があります。
実店舗(POS)向けのカタログは、POS Proでなくても使えますか?
小売マーケット用カタログは、POS Proの契約、またはそれに準ずる上位プランを契約している場合にのみ利用できる機能です。標準のPOS Lite環境では、店舗ロケーションごとに異なる価格を設定するこの機能は利用できないため、複数店舗で異なる価格戦略を取りたい場合は、POS Proへのアップグレードを前提に検討を進める必要があります。
カタログの設定は社内で内製すべきですか、それとも外部に依頼すべきですか?
カタログ単体の作成・価格設定であれば、管理画面の操作に慣れた担当者が内製で対応することも十分可能です。ただし、複数の地域マーケット・B2B取引先・実店舗を組み合わせた複雑な価格設計になると、優先順位のロジックを見誤ってミスが起きやすくなります。特にSEOや広告フィードとの整合性まで含めて最適化したい場合は、EC制作と集客の両方を理解しているパートナーに設計段階から相談し、伴走してもらうことで、手戻りを減らせるケースが多く見られます。
まとめ
Shopifyマーケットのカタログ機能は、地域・B2B・小売という3つの異なる販売チャネルに対して、商品ラインナップと価格を柔軟に出し分けるための土台となる仕組みです。設定を始める前にまず押さえるべきは、「自社が今やろうとしていることが、この3タイプのうちどれに該当するのか」を明確にすることです。オンラインの海外展開であれば地域マーケット用カタログ、法人取引先への卸売であればB2Bマーケット用カタログ、実店舗ごとの価格差であれば小売マーケット用カタログというように、目的と手段を正しく対応させることが、設定ミスを防ぐ最初の一歩になります。
実際の設定にあたっては、カタログの新規作成、価格調整(全体調整と個別価格の使い分け)、商品の追加・除外、マーケットや取引先への割り当てという基本の流れを押さえた上で、複数カタログが重複した際の価格優先ルールや、サブマーケットへの継承の仕組みを理解しておくことが重要です。特に価格の優先順位を誤解したまま運用を始めると、意図しない価格が顧客に表示されてしまうリスクがあるため、本番公開前には必ずプレビューやテストアカウントでの確認を徹底しましょう。また、商品点数が多いストアではCSVを使った一括更新を活用することで、運用負荷を大きく下げることができます。
カタログ機能はあくまで技術的な実装の話であり、その前提となる「自社の販売戦略として、地域展開・B2B卸・実店舗展開のどこに注力すべきか」という意思決定は別軸の話です。BtoB向けEC事業の始め方そのものについてはShopify B2BでBtoB向けECを始めよう!機能や注意点、代替策を解説で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。マーケットとカタログを正しく設計・運用できれば、単一のShopifyストアの中で、複数の顧客セグメントに最適化された購買体験を提供しながら、商品・在庫管理は一元化するという、拡張性の高いEC運営が実現できます。設定や運用でお困りの際は、専門家への相談も選択肢に入れながら、着実に構築を進めていきましょう。

コメント