人気商品が欠品するたびに「入荷したら教えてください」という問い合わせが来る、あるいは何も対策をせずに再入荷後の売上機会を逃している——そんな小売EC事業者にとって、再入荷通知の自動化は取り組みやすく効果の出やすい施策の一つです。この記事では、メール・SMSマーケティングアプリ「Omnisend」を使った再入荷通知の設定方法を中心に、同じく人気の高い「Klaviyo」の再入荷通知機能との違いも比較しながら解説します。
すでにOmnisendを導入している事業者だけでなく、「Klaviyoと迷っている」「メール配信ツールをこれから選ぶ」という段階の事業者にも参考になる内容です。
再入荷通知とメール基盤の設計をまとめて相談したい方へ
EC Retail Adsでは、OmnisendやKlaviyoの選定・導入から、再入荷通知・カゴ落ちメール・広告再配信までを連動させた設計をご支援しています。
- この記事でわかること
- Omnisendとは
- 再入荷通知を導入する効果
- Omnisendで再入荷通知を設定する3ステップ
- 表示対象のカスタマイズ
- OmnisendとKlaviyoの再入荷通知、何が違うのか
- 小売ECでの活用ポイント
- よくある質問
- 導入前後のチェックリスト
- 小売EC担当者が陥りがちな失敗例と対策
- 再入荷通知アプリの選択肢をさらに広げて比較する
- 再入荷通知で獲得したリストの活用方法
- 運用体制とKPI設計
- 小売業種別の活用ポイント
- 再入荷通知メールの文面設計のコツ
- 自社対応と外部パートナー活用の判断基準
- 季節性の高い商材での活用シナリオ
- 導入コストと投資回収の考え方
- 再入荷通知の運用を仕組み化するチェックポイント
- まとめ:ツール選定は自社のメール・SMS戦略から逆算する
この記事でわかること
- Omnisendの概要と再入荷通知機能でできること
- 設定の3ステップ(アプリ有効化・Form作成・Automation作成)
- 表示対象商品の絞り込み・除外設定
- OmnisendとKlaviyoの再入荷通知機能の比較
- 小売ECでの活用ポイント
Omnisendとは
Omnisendは、メール配信・SMS配信・プッシュ通知を一つの管理画面で扱えるマーケティングプラットフォームです。Klaviyoと並んでShopify向けに人気のあるツールで、Klaviyoと比べて料金がやや抑えめに設定されている点、そしてSMS配信機能が標準で組み込まれている点が特徴です。再入荷通知はOmnisendの数ある機能の一部であり、フォーム作成とメール自動化(Automation)の仕組みを流用して実現します。
再入荷通知を導入する効果
欠品商品ページに再入荷通知フォームを設置しておくことで、離脱しそうになった顧客のメールアドレスをその場で獲得できます。何もしなければ二度と接点を持てなかったかもしれない見込み客を、再入荷というタイミングの良い接点で呼び戻せる点が最大のメリットです。またSMS配信にも対応しているため、開封率の高いSMSで再入荷を知らせることで、メールよりも早く反応を得られるケースもあります。
Omnisendで再入荷通知を設定する3ステップ
ステップ1:埋め込みアプリを有効化する
Shopifyのテーマエディタ(アプリの埋め込み設定)から、Omnisendの埋め込み機能を有効にします。この設定を忘れると、あとの手順でフォームを作成しても実際のストアには表示されないため注意が必要です。
ステップ2:再入荷通知用のFormを作成する
Omnisendの管理画面でForm機能から「Back in Stock」テンプレートを選択し、フォームの配色・表示文言をストアのブランドに合わせて調整したのち、「Enable」で公開します。在庫切れ商品ページに自動でフローティングボタンとして表示されるようになります。
ステップ3:再入荷通知用のAutomationを作成する
同じく「Back in Stock」テンプレートからAutomation(自動化シナリオ)を作成し、再入荷時に送るメール本文を編集します。件名や本文には「あなたが気になっていた商品が入荷しました」といった、行動をトリガーにしたパーソナルな文言を入れることで開封率・クリック率が高まりやすくなります。設定後「Start workflow」で有効化すれば運用開始です。
表示対象のカスタマイズ
すべての商品に再入荷通知フォームを出すのではなく、特定の商品URLを指定して表示対象を絞り込んだり、逆に対象外にしたい商品を除外したりする設定も可能です。廃盤予定の商品や、そもそも再入荷しないシーズン商品には表示させない、といった運用でユーザーの期待値のズレを防げます。
OmnisendとKlaviyoの再入荷通知、何が違うのか
両者とも再入荷通知の基本機能(フォーム設置+自動メール送信)は備えていますが、料金体系や周辺機能に違いがあります。すでにKlaviyoで再入荷通知を設定する方法で解説している内容とあわせて比較すると、自社に合うツールを選びやすくなります。
| 比較項目 | Omnisend | Klaviyo |
|---|---|---|
| SMS配信 | 標準機能として組み込み | 別途SMS機能を有効化(送信数に応じ課金) |
| 料金傾向 | 比較的安価な設計 | Omnisendよりやや高め、送信数に応じて段階的に上昇 |
| 操作性 | テンプレートが豊富で直感的 | セグメント設計など高度な条件分岐に強い |
| 連携アプリの豊富さ | 主要ECツールと標準連携 | Klaviyo Reviews等、自社製アプリ群との連携が強力 |
| 向いている事業者 | コストを抑えつつメール・SMSを両方使いたい事業者 | 顧客セグメントを細かく分けて高度な配信をしたい事業者 |
小売ECでの活用ポイント
再入荷通知は単体で使うよりも、広告運用と組み合わせるとさらに効果が高まります。たとえば再入荷通知に登録した見込み客リストを、広告プラットフォームのカスタムオーディエンスとして活用し、再入荷のタイミングで広告を配信すれば、メール・SMS未読層にもリーチできます。またSMSは開封率が高い一方で頻度が高すぎると解除率も上がりやすいため、再入荷通知のような「顧客にとって明確に価値のある通知」に絞って使うのが得策です。
再入荷通知を広告・LTV改善につなげたい方へ
EC Retail Adsでは、再入荷通知で獲得した見込み客リストを広告の再配信施策に接続する設計など、ツール単体の機能に留まらない売上改善のご相談を承っています。
よくある質問
OmnisendとKlaviyoを両方導入することはできますか?
技術的には併用可能ですが、顧客データやメール配信の権限が分散し運用が煩雑になりやすいため、基本的にはどちらか一方に統一することをおすすめします。
再入荷通知のフォーム入力はメールアドレスだけですか?
標準ではメールアドレスのみのシンプルなフォームですが、設定次第で電話番号(SMS用)や希望サイズ等の項目を追加することも可能です。項目を増やすほど入力完了率は下がる傾向があるため、必要最小限にとどめるのが基本です。
再入荷しない場合、登録したリストはどうなりますか?
自動的に削除されるわけではないため、長期間再入荷しない商品については、代替商品の案内メールを送るなど、リストを無駄にしない運用をあわせて検討すると良いでしょう。
導入前後のチェックリスト
導入前に確認すべき項目
- Omnisendアカウントの契約プラン(送信数上限)を確認したか
- 既に他のメール配信アプリを併用していないか(重複導入は配信の二重送信リスクがある)
- SMS配信を行う場合、顧客の電話番号取得・オプトイン同意の仕組みが整っているか
- 再入荷対象にしたい商品と、対象外にしたい商品(廃盤商品など)を整理できているか
公開直後〜運用初期に確認すべき項目
- 在庫切れ商品ページで通知フォームが正しく表示されるか
- テスト在庫操作で再入荷メールが正しいタイミングで送信されるか
- スマートフォン表示でフォームのデザインが崩れていないか
- 登録された見込み客リストが正しくOmnisendの管理画面に反映されているか
小売EC担当者が陥りがちな失敗例と対策
失敗例1:全商品に通知フォームを表示してしまう
季節限定商品や廃盤予定の商品にまで再入荷通知フォームを表示してしまうと、「入荷しますと言ったのに入荷しない」という不信感につながります。表示対象を事前に整理し、実際に再入荷予定のある商品に絞って運用することが大切です。
失敗例2:再入荷メールのタイミングが遅れる
入荷から通知までにタイムラグがあると、その間に他サイトで似た商品を購入されてしまう可能性があります。在庫連携の反映タイミングを事前に確認し、可能な限りリアルタイムに近い形で通知が飛ぶよう設定しておくことが重要です。
失敗例3:SMS配信の頻度が高すぎて配信停止が増える
再入荷通知以外のキャンペーンメールもSMSで頻繁に送ってしまうと、顧客からの配信停止(オプトアウト)が増え、本当に重要な再入荷通知すら届かなくなってしまいます。SMSは「今すぐ知りたい」情報に絞って使う、という原則を守ることが長期的な効果維持につながります。
再入荷通知アプリの選択肢をさらに広げて比較する
| アプリ | 特徴 | 向いている事業者 |
|---|---|---|
| Omnisend | メール・SMSを標準搭載、比較的低価格 | SMSも含めた配信基盤をまとめて整えたい事業者 |
| Klaviyo | 高度なセグメント配信、自社アプリ群との連携が強力 | 顧客データを細かく分析・活用したい事業者 |
| Notify! Back in Stock | PreOrder | 再入荷通知と予約販売を一体で管理 | 再入荷と予約販売を両方運用したい事業者 |
再入荷通知と予約販売をあわせて検討したい場合は、Notify! Back in Stock | PreOrderの解説記事もあわせてご覧いただくと、自社に合う組み合わせを検討しやすくなります。
再入荷通知で獲得したリストの活用方法
広告のカスタムオーディエンスに活用する
再入荷通知に登録した見込み客のメールアドレスを、広告プラットフォームのカスタムオーディエンスとしてアップロードすることで、メール・SMS未読の顧客にも広告経由でリーチできます。再入荷というタイミングの良い情報と組み合わせることで、広告のクリック率・コンバージョン率が向上しやすい傾向があります。
類似オーディエンスへの拡張
再入荷通知に登録するような「商品への関心度が高い顧客」のリストは、類似オーディエンス(似た属性の新規顧客)の元データとしても質が高い傾向があります。新規顧客獲得広告の精度向上にも活用できる資産と捉えましょう。
運用体制とKPI設計
再入荷通知は設定して終わりではなく、継続的にモニタリングすることで効果を最大化できます。最低限、通知登録件数、再入荷メールの開封率・クリック率、再入荷後の購入転換率の3つは定期的に確認したい指標です。特に「登録はされているが再入荷後に購入されない」商品が多い場合は、価格や配送日数など、購入の妨げになっている別の要因を疑う必要があります。
小売業種別の活用ポイント
アパレル(サイズ欠品対策)
特定サイズだけが欠品するケースが多いアパレルでは、サイズ単位での再入荷通知設定ができるかどうかが重要な選定基準になります。人気サイズの欠品状況を可視化できると、次回発注の意思決定にも役立ちます。
食品・コスメ(数量限定商品)
数量限定・季節限定商品を扱う場合、再入荷通知は「入荷を待つ層」を可視化する効果もあります。登録件数が多い商品ほど、次回の生産・仕入れ数量を増やす判断材料として活用できます。
再入荷通知メールの文面設計のコツ
再入荷メールは開封率・クリック率が比較的高くなりやすい種類のメールですが、その効果を最大化するには文面の工夫が欠かせません。件名には「再入荷」であることを明確に伝える言葉を入れ、本文では在庫数が限られている場合はその旨を伝えることで、早期の行動を促せます。あわせて、購入ボタンをメールの上部に配置し、迷わずクリックできる導線にしておくことも基本です。
関連商品のクロスセルを差し込む
再入荷メールに、同じカテゴリの類似商品や、よく一緒に購入されている商品をあわせて紹介することで、再入荷商品の購入だけでなく客単価の向上も狙えます。ただし情報を詰め込みすぎると本来の目的(再入荷商品の告知)が埋もれてしまうため、あくまで補助的な位置づけにとどめるのが基本です。
自社対応と外部パートナー活用の判断基準
Omnisendのフォーム作成やAutomation設定自体は、EC担当者が管理画面から対応できる範囲です。一方で、在庫データとの連携精度の確保、広告オーディエンスとの連携設計、メール・SMSを横断したカスタマージャーニー設計などは専門的な知見が求められる領域です。社内リソースが限られる場合は、初期設計だけ外部パートナーに相談し、日々の運用は社内で完結させる、といった役割分担も有効です。
季節性の高い商材での活用シナリオ
アウトドア用品やギフト商材のように季節性が強い商品では、シーズンオフに欠品したまま放置されるケースも少なくありません。再入荷通知を設定しておくことで、シーズン開始のタイミングで一斉にリスト内の見込み客へアプローチでき、需要が立ち上がる瞬間を逃さずに販売機会を作れます。前シーズンの登録リストをそのまま翌シーズンの先行案内に活用するといった、年間を通じた設計も可能です。
導入コストと投資回収の考え方
再入荷通知単体で見ると小さな機能に思えるかもしれませんが、人気商品が欠品するたびに一定数の見込み客が離脱していると考えると、その機会損失は決して小さくありません。Omnisendの月額費用に対して、再入荷通知経由でどれだけの売上が生まれているかを継続的に計測することで、投資対効果を客観的に判断できます。多くの場合、月額費用に対して再入荷通知経由の売上は十分に上回る水準になりやすい施策です。
他の離脱対策施策との優先順位
カゴ落ちメール、ポップアップでのクーポン提示など、離脱対策には様々な選択肢がありますが、再入荷通知は「すでに商品への関心が非常に高い顧客」に絞ってアプローチできる点で費用対効果が高い施策です。予算やリソースが限られる場合は、まず再入荷通知のような関心度の高い顧客向けの施策から着手し、効果を見ながら他の施策に広げていくのが手堅い進め方です。
再入荷通知の運用を仕組み化するチェックポイント
担当者一人に運用が属人化してしまうと、退職や異動のタイミングでノウハウが失われるリスクがあります。フォームやAutomationの設定手順を簡単なマニュアルとして残しておく、月次で確認するKPIをスプレッドシート等で定点観測できるようにしておくなど、小さな仕組み化を積み重ねておくことで、長期的に安定した運用を続けられます。属人化を避けることは、担当者交代時のリスク管理としても重要な視点です。
こうした地道な積み重ねが、再入荷通知という一見小さな機能を、継続的な売上改善のエンジンへと育てていきます。
再入荷通知フォームのデザインはブランドに合わせて変更できますか?
色・フォント・表示文言など、Omnisendのフォームエディタで自由にカスタマイズできます。ストアのブランドイメージから浮かないよう、公開前に必ずプレビューで確認しましょう。特にモバイル表示は崩れやすいポイントなので、PCだけでなくスマートフォン実機でも必ずチェックすることをおすすめします。
複数店舗・複数ブランドを運営していても使えますか?
Omnisendのアカウント構成によって対応方法が異なるため、ブランドごとにアカウントを分けるか、1アカウント内でセグメント管理するかを事前に検討しておくとスムーズです。
SMS配信には別途費用がかかりますか?
SMS配信はメールとは別に送信数に応じた費用が発生する場合が多いため、契約プランの詳細を確認したうえで、SMSを使う範囲(再入荷通知のみ等)を絞って運用するのが費用対効果の面でもおすすめです。
再入荷通知と予約販売、どちらを優先すべきですか?
再入荷までの見込みが明確な商品は予約販売、見込みが不確実な商品は再入荷通知、という使い分けが基本です。両方の機能を併用し、商品ごとに適した方式を選べるようにしておくのが理想的な運用です。仕入れ先からの納期回答が安定している商品は予約販売、輸入品などで納期が読みにくい商品は再入荷通知、といった基準で切り分けている事業者も多く見られます。この判断基準をあらかじめ社内でルール化しておくと、商品ごとの対応がぶれにくくなります。
登録された見込み客が実際に何人いるか、商品ごとに確認できますか?
Omnisendの管理画面から、フォームごとの登録件数を確認できます。人気商品の欠品が続く場合、この登録件数の推移が仕入れ判断の重要な参考データになります。
迷ったときは、まず再入荷通知から始め、需要の見通しが立った商品から予約販売への切り替えを検討する、という段階的なアプローチも現実的な進め方の一つといえるでしょう。
まとめ:ツール選定は自社のメール・SMS戦略から逆算する
Omnisendの再入荷通知は、SMSを標準で使いたい事業者やコストを抑えたい事業者にとって有力な選択肢です。一方でKlaviyoは高度なセグメント配信や自社アプリ群との連携に強みがあります。どちらが優れているというより、自社のメール・SMS活用の方向性に合わせて選ぶことが、長期的な運用のしやすさにつながります。


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