「福袋や詰め合わせセットを販売したいが、商品ごとに在庫管理が別々になってしまい面倒」「セット商品を作るためだけに有料アプリを追加するのは気が引ける」——季節商戦やまとめ買い需要を取り込みたい小売事業者から、こうした声をよく聞きます。Shopify Bundlesは、この悩みに対してShopifyが公式に用意した無料のセット販売機能です。
この記事では、Shopify Bundlesでできること・できないこと、実際の作成手順、小売ECでの活用シーン、そして商品オプション拡張アプリなど似て非なる機能との違いまで、EC制作・運用支援の立場から具体的に解説します。福袋やギフトセットの販売を検討している事業者は、ぜひ参考にしてください。
セット販売・まとめ買い施策を相談したい方へ
EC Retail Adsでは、Shopify Bundlesのようなネイティブ機能の導入設計から、セット商品の見せ方・価格設計、販促導線までまとめてご支援しています。「どのアプリを使えばいいかわからない」という段階からご相談いただけます。
この記事でわかること
- Shopify Bundlesとはどんな機能か
- Shopify Bundlesでできること・できないこと
- 導入するメリットと注意点
- 料金・仕様
- セット商品の作成手順
- 小売ECでの活用シーン(福袋、ギフトセット、まとめ買い施策)
- 商品オプション拡張アプリとの違い
- よくある質問
Shopify Bundlesとは何か
Shopify Bundlesは、Shopifyが公式に提供する無料のセット販売(バンドル販売)アプリです。複数の既存商品を組み合わせて、一つの新しい商品として販売できる機能で、サードパーティアプリを使わずにShopify管理画面から直接セット商品を作成できます。名前の通り「バンドル(束ねる)」がコンセプトで、単品商品をパッケージ化して見せることに特化しています。
似たような名前・見た目のアプリに「商品オプションを追加するアプリ」がありますが、両者は目的が異なります。商品オプション拡張アプリは、一つの商品に対して「名入れ」「ラッピングの有無」「刻印の種類」といった追加選択肢を持たせるための機能です。一方でShopify Bundlesは、複数の独立した商品そのものを組み合わせて新しい一つの商品ページとして販売する機能であり、福袋・詰め合わせ・ギフトセットのような使い方に向いています。両者を混同すると導入するアプリを間違えるため、まず自社がやりたいことがどちらに当たるのかを整理しておくことが重要です。
Shopify Bundlesでできること
- 複数の既存商品を選んで、新しいセット商品として作成できる
- セットに含める商品の組み合わせ・個数を自由に設定できる
- セット商品専用の価格を設定できる(単品合計から割引した価格設定も可能)
- セット商品の画像・商品説明を個別に用意できる
- 作成後、組み合わせ内容や個数を後から変更できる
Shopify Bundlesでできないこと
- アプリ画面から直接セット商品の価格を修正することはできない(価格変更は通常の商品管理画面から行う)
- アプリ画面から直接セット商品を削除することはできない(削除も商品管理画面から行う)
- 顧客が自分でセットの中身を自由に選んでカスタマイズする、いわゆる「ミックス&マッチ」的な柔軟な選択には対応していない(あらかじめ決めた組み合わせを販売する形が基本)
できないことの多くは、商品管理画面という別の場所から操作すれば対応できるため、致命的な制約というよりは「操作場所が分かれている」と理解しておけば問題ありません。ただし、顧客参加型の柔軟なカスタムセットを作りたい場合は、Shopify Bundlesではなく別のアプローチを検討する必要があります。
導入するメリット
無料で追加費用なく使える
Shopify公式アプリのため、利用料金は発生しません。有料のバンドル系アプリを比較検討する前に、まず無料のShopify Bundlesで要件を満たせるかどうかを確認するのが、コストを抑える第一歩になります。
在庫管理がシンプルになる
セット商品を構成する各単品の在庫と連動する形で管理されるため、セット用に別途在庫を用意する必要がありません。単品としても、セットとしても販売する運用がしやすく、在庫の二重管理によるミスを防げます。
テーマへの組み込みがスムーズ
Shopify公式機能のため、最新版のオンラインストアテーマとの互換性が考慮されています。サードパーティアプリのように、テーマとの相性トラブルやスクリプトの競合を心配する場面が比較的少ない点も安心材料です。
導入前に知っておきたい注意点
最新版のチェックアウトが前提になる
Shopify Bundlesを利用するには、最新版のチェックアウト環境が必要です。古いカスタマイズ(checkout.liquidでの独自カスタマイズなど)を使い続けている場合、互換性の問題が発生する可能性があるため、事前に自社のチェックアウト環境を確認しておく必要があります。
Shopifyスクリプトとの併用に制約がある
独自の価格ロジックやカート操作をShopifyスクリプトで実装している場合、Shopify Bundlesとの併用で想定外の挙動が発生する可能性があります。複雑なカスタマイズを行っているストアでは、導入前にテスト環境での検証をおすすめします。
柔軟なカスタムセットには不向き
前述の通り、顧客が自由に中身を選べるようなカスタムセット(例:好きな商品を3つ選んで1セット、のような形式)には標準機能だけでは対応しにくく、別のアプリや実装が必要になる場合があります。
料金・仕様
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 利用料金 | 無料 |
| 提供元 | Shopify公式 |
| 必要な前提条件 | 最新版チェックアウトへの対応 |
| セット商品の価格変更 | 商品管理画面から実施 |
| セット商品の削除 | 商品管理画面から実施 |
セット商品の作成手順
- Shopify管理画面からShopify Bundlesアプリを開く
- 「バンドルを作成」をクリックする
- セット商品のタイトルを入力する(顧客に伝わりやすい名前を意識する)
- セットに含める商品と、それぞれの個数を選択する
- セット全体の価格を設定する(単品合計から割引した価格にするか、そのままの合計にするかを決める)
- セット商品用の画像・商品説明を用意し、保存する
- 公開後、オンラインストア上での表示・カート追加・決済までの流れをテスト注文で確認する
小売ECでの活用シーン
- 福袋・年始セール:複数商品を組み合わせた福袋を、在庫管理の手間をかけずに販売できます。中身を事前に決めた「ネタバレ型」の福袋と相性がよい機能です。
- ギフトセット:季節のギフトシーズンに、単品では売れにくい商品を組み合わせて贈り物として提案できます。単品よりも客単価を上げやすい施策です。
- まとめ買い促進:関連性の高い商品(例:シャンプーとトリートメントのセット)をまとめて提案することで、クロスセルを自然な形で促進できます。
- 在庫の偏りを調整する:単品では動きが鈍い商品を、人気商品とセットにすることで消化を後押しする使い方もできます。
商品オプション拡張アプリとの違い
当サイトでは以前、名入れ・ラッピングなど商品ページの選択肢を増やすアプリを比較した記事を公開しています(Shopifyの商品オプションを拡張するアプリ比較|名入れ・セット販売・ギフト対応まで小売EC向けに解説)。この記事で扱っているアプリの多くは「一つの商品に追加の選択肢を持たせる」ためのものです。それに対しShopify Bundlesは、独立した複数の商品を一つの新しいセット商品としてまとめる、いわば逆方向のアプローチです。名入れやギフト包装の選択肢を増やしたいのであれば商品オプション系アプリ、福袋やまとめ売りをしたいのであればShopify Bundles、と目的によって使い分けるのが正しい選択です。
また、より高度なアップセル・クロスセル機能まで求める場合は、サードパーティのバンドル系アプリも選択肢に入ります。例えばShopify「Kaching Bundles App & Upsells」とは?機能・料金・使い方・設定を徹底解説のようなアプリは、バンドル販売に加えてアップセル訴求も同時に行える点で、Shopify Bundlesより高機能ですが、当然ながら有料プランが前提になります。まずは無料のShopify Bundlesで要件を満たせるか検証し、機能が足りない場合にサードパーティアプリを検討する、という順番がコストを抑えるうえで合理的です。
比較表:Shopify Bundlesと類似アプリ
| 比較軸 | Shopify Bundles | 商品オプション拡張アプリ | サードパーティのバンドル・アップセルアプリ |
|---|---|---|---|
| 目的 | 複数商品をセット化して販売 | 単一商品に選択肢を追加 | セット販売+アップセル訴求の強化 |
| 料金 | 無料 | アプリにより異なる | 有料プランが中心 |
| 提供元 | Shopify公式 | サードパーティ | サードパーティ |
| 向いている用途 | 福袋・ギフトセット・まとめ売り | 名入れ・ラッピング等の選択肢追加 | 高度な訴求・レコメンド機能が必要な場合 |
セット商品の見せ方・価格設計まで相談したい方へ
EC Retail Adsでは、Shopify Bundlesの導入設計だけでなく、セット商品の価格設計、商品ページの訴求、広告での見せ方までまとめてご支援しています。「作ったけど売れない」を防ぐ段階からご相談いただけます。
よくある質問
Shopify Bundlesは無料で使えますか?
はい、Shopify公式の無料アプリです。追加費用なく、複数商品を組み合わせたセット商品を作成できます。
商品オプション追加アプリとどう違いますか?
商品オプション拡張アプリは一つの商品に名入れやラッピングなどの選択肢を追加する機能で、Shopify Bundlesは複数の独立した商品を一つのセット商品としてまとめる機能です。目的が異なるため、やりたいことに応じて使い分けてください。
セット商品の価格をあとから変更できますか?
はい、可能です。ただしShopify Bundlesアプリの画面からではなく、通常の商品管理画面から価格を編集する必要があります。
顧客が自分でセットの中身を選べるようにできますか?
Shopify Bundlesの標準機能では、あらかじめ決めた組み合わせを販売する形が基本のため、顧客が自由に組み合わせを選ぶ「ミックス&マッチ」形式には向きません。柔軟なカスタムセットを実現したい場合は、別のアプリや実装を検討する必要があります。
在庫はセット商品と単品でどう連動しますか?
セット商品を構成する各単品の在庫と連動して管理されるため、セット用に別途在庫を確保する必要はありません。単品在庫が0になった時点で、そのセットも販売できない状態になります。
Shopify Bundles導入前後のチェックリスト
セット商品は「作って終わり」ではなく、公開後の在庫連携や価格表示の確認まで含めて運用設計しておくことが重要です。
| タイミング | 確認項目 | 確認方法 |
|---|---|---|
| 作成前 | 最新チェックアウトを利用しているか | テーマ設定・checkout.liquid利用状況を確認 |
| 作成前 | セットにする商品の在庫状況 | 構成商品それぞれの在庫数・入荷予定を確認 |
| 作成前 | セット価格の割引率 | 単品合計との差額を明確にし、社内で合意する |
| 作成直後 | 商品ページでの表示崩れ有無 | PC・スマホ両方でプレビュー確認 |
| 作成直後 | コレクションページへの反映 | 該当コレクションに正しく表示されているか確認 |
| 公開後 | 構成商品が欠品した際の挙動 | 単品側を在庫切れにしてセット表示がどうなるかテスト |
| 公開後1か月 | セット商品の販売実績 | Shopify管理画面の商品別売上レポートで確認 |
こんな小売業態におすすめ・慎重に検討したい業態
| 業態・商材 | セット販売との相性 | 理由 |
|---|---|---|
| 食品・グルメギフト | 非常に高い | 季節ギフト・詰め合わせ需要と直結し、客単価アップに直接寄与する |
| コスメ・スキンケア | 高い | トライアルセットやライン使い提案がしやすく、新規顧客の試しやすさにつながる |
| アパレル・ファッション雑貨 | 高い | コーディネート提案としてまとめ買いを促進しやすい |
| 単品完結型の消耗品(日用品など) | 中程度 | 組み合わせの必然性が薄い場合、割引訴求のみが目的化しやすい |
| 受注生産・一点物商材 | 低い | 在庫連動の仕組みと相性が悪く、運用が複雑になりやすい |
セット販売とあわせて検討したい施策
Shopify Bundlesを客単価アップ施策の一つとして最大限活用するには、単体の機能導入で終わらせず、他の施策と組み合わせて設計することが重要です。
- 送料無料ラインとの連動:セット購入で送料無料ラインに到達しやすくなるよう価格設計する
- 期間限定・季節限定での訴求:ギフトシーズンにあわせてセット内容を入れ替え、新鮮さを演出する
- レビュー・お客様の声との組み合わせ:セット商品ならではの活用シーンをレビューで訴求し、購入の後押しにする
- 広告クリエイティブとの連携:単品ではなくセット商品をメインに訴求するLPを用意し、客単価の高い流入を作る
小売EC担当者が陥りがちな失敗例と対策
失敗例1:割引率だけを重視し、粗利を圧迫してしまう
「セット割引は大きいほど売れる」という考えだけで価格を決めてしまい、結果的に粗利率を大きく下げてしまうケースがあります。セット価格を決める際は、想定される販売数量とあわせて粗利ベースでのシミュレーションを行いましょう。
失敗例2:在庫連動の仕組みを理解せず、欠品対応に混乱する
セット商品は構成する単品の在庫と連動するため、片方の商品だけ欠品した場合の挙動を事前にテストしておかないと、公開後に「セットだけ買えない」「表示が崩れている」といったクレームにつながることがあります。
失敗例3:セット商品を安易に作りすぎて管理が煩雑になる
思いつきでセット商品を次々に作成すると、削除できない仕様のため商品一覧が増え続け、在庫管理・棚卸しの手間が膨らんでいきます。運用ルール(例:シーズンごとに公開・非公開を切り替える)を先に決めてから着手することをおすすめします。
追加のよくある質問
セット商品はコレクションページに自動で表示されますか?
コレクションの条件設定次第です。自動追加ルールを設定している場合はセット商品も対象条件に合致すれば表示されますが、手動でコレクションを管理している場合は個別に追加する必要があります。
セット内の一部商品だけ在庫切れになったらどうなりますか?
構成商品のいずれかが在庫切れになると、セット商品自体が購入できなくなるのが基本的な挙動です。欠品が起きやすい商品を含める場合は、代替構成やアラート運用も検討しておくと安心です。
送料はセット商品としてまとめて計算されますか?
セット商品は一つの商品として扱われるため、送料設定もセット商品自体に対して適用されます。重量・サイズベースで送料を計算している場合は、セット商品の重量設定を忘れずに行いましょう。
まとめ:まずは無料のShopify Bundlesから検討を
Shopify Bundlesは、福袋やギフトセット、まとめ買い施策を無料で実現できる公式機能です。有料アプリを検討する前に、まずこの機能で自社のやりたいことが実現できるかを確認するのが合理的な進め方です。名入れやラッピングなど「一つの商品の選択肢を増やしたい」場合は別の商品オプション系アプリ、より高度なアップセル訴求まで求める場合はサードパーティアプリという形で、目的に応じて使い分けることが重要です。どのアプリが自社に合うか判断が難しい場合は、セット商品の設計から販促導線まで含めて専門家に相談することをおすすめします。


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