「クーポンコードを使った注文だけを抽出して、後からセグメント配信をかけたい」「特定のディスカウントで購入した顧客だけに、お礼のフォローメールを送りたい」——こうした施策を実行しようとしたとき、多くのショップ運営者がぶつかる壁が「注文データのタグ付け作業」です。注文が増えれば増えるほど、どの注文がどのディスカウントで購入されたのかを手作業で確認し、一件ずつタグを付けていく作業は現実的ではなくなっていきます。人力での仕分けは、ミスも起きやすく、担当者の負荷も日に日に増していきます。
この記事では、Shopify純正の自動化アプリ「Shopify Flow」を使い、特定のディスカウントコード(クーポンコード)や自動ディスカウントが適用された注文に対して、注文タグ・顧客タグを自動で付与する設定方法を、実際の管理画面操作をイメージしながら手順ごとに徹底解説します。結論から言うと、Shopify Flowの「トリガー」「条件」「アクション」という3つの要素さえ正しく組み合わせれば、この自動タグ付けは誰でも無料で実現できます。ノーコードで完結するため、専門的な開発知識やアプリへの追加課金も不要です。一度ワークフローを組んでしまえば、以降はすべて自動でタグが付与され続けるため、運営工数を大きく削減しながら、より精度の高いデータドリブンな運営が可能になります。
この記事でわかること
- Shopify Flowの基本概念(トリガー・条件・アクションとは何か)
- ディスカウントの「適用方法」と「タイプ」の違いと、それぞれで参照すべき変数の見分け方
- 注文タグを自動付与するレシピの具体的な作成手順(画面操作つき)
- 顧客タグを自動付与するレシピの具体的な作成手順(画面操作つき)
- シナリオ別・設定パターンの比較表
- 自動タグ付けを活用するメリットと注意すべきデメリット
- 導入に向いているショップ・向いていないショップの見極め方
- 設定時によくあるつまずきポイントとその解決方法(FAQ)
Shopify Flowとは何か
Shopify Flowは、ストア運営で発生する定型的なタスクや処理を自動化するための、Shopify純正のワークフロー自動化アプリです。もともとは上位プランでしか使えない機能でしたが、現在ではベーシックプラン以上であれば追加費用なしに利用できるようになっており、Shopify管理画面からアプリストア経由でインストールするだけですぐに使い始められます。開発の知識がなくても、画面上でパーツを組み合わせるだけでワークフローを構築できるのが最大の特徴です。
Shopify Flow全体の機能や料金プランごとの利用可否、他の自動化ユースケースについては、Shopify Flowは無料で使える?の記事で詳しく解説しています。この記事では機能概要には深く立ち入らず、「ディスカウント別に注文・顧客タグを自動付与する」という一つのユースケースに絞って、実際にレシピを組む手順を最初から最後まで追っていきます。
ワークフローを構成する3つの要素
Shopify Flowのワークフロー(レシピ)は、次の3つの要素の組み合わせで成り立っています。この基本構造を理解しておくと、以降の設定手順の意味が格段に理解しやすくなります。
トリガー:処理が始まるきっかけ
トリガーとは、ワークフローの実行が開始される「きっかけ」となるイベントです。「注文が作成されたとき」「顧客が作成されたとき」「商品の在庫が一定数を下回ったとき」など、Shopifyストア内で発生するさまざまなイベントをトリガーとして選択できます。今回のディスカウント別タグ付けでは、「Order Created(注文が作成されたとき)」をトリガーとして使用します。
条件:トリガー発生時に判定するロジック
条件は、トリガーが発生した際に「その内容が特定の基準を満たしているかどうか」を判定する部分です。今回であれば、「その注文にどのディスカウントが適用されたか」を条件として設定し、狙ったディスカウントが使われた注文だけを後続のアクションに進めるためのフィルターとして機能させます。この条件設定を正確に行えるかどうかが、このレシピ全体の成否を左右する最も重要なポイントです。
アクション:条件成立後に実行される処理
アクションは、条件が満たされたときに実際に実行される処理です。今回のケースでは「Add order tags(注文にタグを追加)」または「Add customer tags(顧客にタグを追加)」というアクションを使用し、条件に合致した注文・顧客へ自動的にタグを書き込みます。アクションは複数個を同時に組み合わせることもでき、たとえばタグ付けと同時に社内のSlackへ通知を送る、といった拡張も可能です。
事前準備:ディスカウントの「適用方法」と「タイプ」を整理する
レシピを組み始める前に、必ず押さえておくべき前提知識があります。それは、Shopifyにおけるディスカウントが「適用方法」と「ディスカウントタイプ」という2つの軸で分類されるという点です。この分類の組み合わせによって、条件設定で参照すべき変数(プロパティ)がまったく異なるため、ここを曖昧にしたまま設定を進めると、レシピを保存してテストしても意図通りにタグが付かないというトラブルの原因になります。
適用方法の2種類
- 自動ディスカウント:顧客が特定の条件(カート合計金額など)を満たした際に、コード入力なしで自動的に適用されるディスカウント
- クーポンコード(ディスカウントコード):顧客がチェックアウト画面でコードを手入力することで適用されるディスカウント。ディスカウントコードの基本的な作成・運用方法はShopifyのディスカウントコード活用ガイドで解説しているので、まだコード自体を発行していない場合は先にそちらを確認しておくとスムーズです。
ディスカウントタイプの3種類
- 注文ディスカウント:注文金額全体に対して割引を適用するタイプ
- 商品ディスカウント:特定商品の価格に対して割引を適用するタイプ
- 配送ディスカウント:送料に対して割引を適用するタイプ
つまり、適用方法2種類×タイプ3種類で、条件設定時に参照する変数の組み合わせは合計6パターン存在することになります。自分が自動タグ付けをしたいディスカウントが、このどれに該当するのかを先に確認しておきましょう。
レシピ作成の手順【注文タグ編】
ここからは、実際にShopify管理画面を操作しながらレシピを組み立てる手順を、ステップごとに解説します。今回は「クーポンコード『SUMMER2026』を利用して注文ディスカウントが適用された場合に、注文へ『SUMMER2026』というタグを自動付与する」という設定を例に進めます。
ステップ1:Flowアプリを開き新規ワークフローを作成する
- Shopify管理画面の左メニューから「アプリ」を選択し、一覧から「Flow」をクリックしてアプリを開きます。
- Flowのダッシュボード画面右上に表示されている「ワークフローを作成」ボタンをクリックします。
- テンプレート一覧が表示されますが、今回はゼロから作成するため、画面上部の「一から作成する」タブを選択します。
ステップ2:トリガーを設定する
- ワークフロー編集画面中央の「トリガーを選択」ボタン(+アイコン)をクリックします。
- 検索窓に「Order」と入力し、候補の中から「Order created(注文が作成されたとき)」を選択します。
- トリガーブロックがキャンバス上に追加されたことを確認します。
ステップ3:条件を設定し、参照する変数を入力する
- トリガーブロックの下にある「+」アイコンをクリックし、「条件を追加」を選択します。
- 条件エディタが開くので、左側の変数入力欄に、今回の例(クーポンコード+注文ディスカウント)に対応する変数のパスを入力します。具体的には「Order」→「discountApplications」→「DiscountCodeApplication」→「code」という階層を辿って選択していきます。
- 演算子には「is equal to(等しい)」を選び、右側の値欄に、判定したいクーポンコードの文字列「SUMMER2026」を入力します。
- 「保存」をクリックして条件ブロックを確定します。
なお、対象が自動ディスカウントの場合は「DiscountCodeApplication」ではなく「AutomaticDiscountApplication」を、対象が商品ディスカウントの場合は「lineItems」→「discountAllocations」→「discountApplication」という階層を経由する必要があります。この参照パスの違いが、前章で説明した「適用方法×タイプ」の6パターンに対応しています。設定前に、必ず自分が狙っているディスカウントがどのパターンに該当するかを確認してから変数を選択してください。
ステップ4:アクションを設定する
- 条件ブロックの下の「+」アイコンをクリックし、アクション一覧から「Add order tags(注文にタグを追加)」を検索して選択します。
- 「タグ」の入力欄に、付与したいタグ名(例:「SUMMER2026」)を入力します。カンマ区切りで複数タグを同時に付与することも可能です。
- 「保存」をクリックしてアクションブロックを確定します。
ステップ5:ワークフローに名前を付けて有効化する
- 画面左上のタイトル欄に、後で見返したときに分かりやすい名前(例:「SUMMER2026クーポン注文タグ付け」)を入力します。
- 画面右上の「オンにする」ボタンをクリックし、ワークフローを有効化します。
- これでレシピの設定が完了し、以降に作成される注文からリアルタイムで自動判定・タグ付けが実行されるようになります。
レシピ作成の手順【顧客タグ編】
続けて、同じディスカウント条件で「注文」ではなく「顧客」にタグを付与するレシピの作り方も見ていきましょう。基本の流れはほぼ同じですが、アクションの選択部分だけが異なります。顧客単位でタグを持たせておくと、次回以降の購入時にも継続的にセグメントとして扱えるようになるのが特徴です。
ステップ1〜3:トリガーと条件の設定
前章と同じ手順で、「Order created」トリガーを設定し、対象のディスカウントに応じた変数パスを条件エディタに入力します。ここまでの操作は注文タグ編とまったく同一です。すでにトリガーと条件を組んだワークフローを複製して、アクション部分だけを差し替えるという方法でも構いません。
ステップ4:顧客タグ付与のアクションを設定する
- 条件ブロックの下の「+」アイコンから、アクション一覧を開きます。
- 検索窓に「customer」と入力し、「Add customer tags(顧客にタグを追加)」を選択します。
- 「タグ」入力欄に付与したいタグ名(例:「VIP_SUMMER2026」)を入力します。
- 「保存」をクリックして確定します。
ステップ5:注文タグと顧客タグを同時に付与する応用設定
実務上は、注文タグと顧客タグを同時に付与しておくと利便性が高まります。同じ条件ブロックの下に「Add order tags」と「Add customer tags」の2つのアクションを並列で追加すれば、1つのトリガー・条件に対して両方のタグ付けを一度に実行できます。注文単位での抽出(例:特定期間の売上分析)は注文タグで、顧客単位での継続的なマーケティング(例:リピート促進のセグメント配信)は顧客タグで、それぞれ用途を使い分けるとデータ活用の幅が大きく広がります。
ステップ6:動作確認(テスト)を必ず行う
ワークフローを有効化したら、必ずテスト注文で動作を確認しましょう。対象のクーポンコードを使ってテスト注文を作成し、数分後に管理画面の「注文」一覧、または「顧客」詳細ページを開いて、意図した通りのタグが付与されているかを確認します。もしタグが付与されていない場合は、Flowのダッシュボードにある「実行履歴(Run history)」から、どのステップで条件が不成立になったかを確認できます。ここで参照している変数のパスや、演算子・値の入力ミスが見つかることがほとんどです。
シナリオ別・設定パターン比較表
| シナリオ | 適用方法 | ディスカウントタイプ | 条件で参照する主な変数パス | 条件の値に入力するもの |
|---|---|---|---|---|
| クーポン利用時に注文全体を割引 | クーポンコード | 注文ディスカウント | discountApplications → DiscountCodeApplication → code | クーポンコードの文字列 |
| カート合計金額で自動的に割引 | 自動ディスカウント | 注文ディスカウント | discountApplications → AutomaticDiscountApplication → title | ディスカウントのタイトル |
| 特定商品にクーポンで割引 | クーポンコード | 商品ディスカウント | lineItems → discountAllocations → discountApplication → DiscountCodeApplication → code | クーポンコードの文字列 |
| 特定商品購入で自動割引 | 自動ディスカウント | 商品ディスカウント | lineItems → discountAllocations → discountApplication → AutomaticDiscountApplication → title | ディスカウントのタイトル |
| クーポンで送料無料 | クーポンコード | 配送ディスカウント | shippingLines → discountAllocations → discountApplication → DiscountCodeApplication → code | クーポンコードの文字列 |
| 一定金額以上で自動送料無料 | 自動ディスカウント | 配送ディスカウント | shippingLines → discountAllocations → discountApplication → AutomaticDiscountApplication → title | ディスカウントのタイトル |
このように、狙っているディスカウントの「適用方法」と「タイプ」の組み合わせによって、参照すべき変数パスと条件の値に入力する内容(コード文字列なのかタイトル文字列なのか)が変わってきます。設定を始める前に、この表を見ながら自分のケースがどの行に該当するかを必ず確認してから進めるようにしてください。
自動タグ付けを活用するメリット
- 手作業のミスと工数を削減できる:注文数が増えるほど、目視での仕分け作業は非現実的になります。自動化しておけば、注文件数に関わらず一定の精度でタグが付与され続けます。
- セグメント配信の精度が上がる:クーポン利用者だけ、特定キャンペーン経由の購入者だけ、といった単位でタグが自動的に整理されるため、メール配信やLINE配信のセグメント作成が格段に楽になります。
- 売上分析がしやすくなる:注文タグを使えば、管理画面の注文検索やレポート機能でタグ単位の絞り込みができ、どのキャンペーンがどれだけの売上に貢献したかを可視化しやすくなります。
- カスタマーサポート対応の効率化:問い合わせ対応の際に、その顧客がどのキャンペーンで購入したかが顧客タグで一目瞭然になるため、対応がスムーズになります。
- 追加費用なしで実現できる:Shopify Flowは標準搭載の機能であるため、有料アプリを別途契約することなく実現できます。
導入時に注意すべきデメリット・落とし穴
- 変数パスの選択ミスが起きやすい:前述の通り、適用方法とタイプの組み合わせで参照パスが異なるため、慣れないうちは条件が正しく機能しないことがあります。
- 過去の注文には遡及適用されない:Flowのワークフローは基本的に「有効化した以降に発生したイベント」にのみ反応します。過去の注文にまとめてタグを付けたい場合は、CSVエクスポート・インポートなど別の手段を併用する必要があります。
- ディスカウントの名称変更に弱い:自動ディスカウントの条件判定に「タイトル」を使う場合、後からディスカウントの名称を変更すると条件が一致しなくなるため、レシピ側の値も合わせて更新する必要があります。
- 複雑な条件分岐は組みにくい場合がある:複数のディスカウントを跨いだ複雑な条件分岐や、外部システムとの連携を伴う高度な処理は、Flow単体では実現が難しく、別途アプリ連携やカスタム開発が必要になるケースもあります。
こんな事業者におすすめ
- 季節ごとのキャンペーンやクーポン施策を頻繁に実施しており、施策別の効果測定を手作業で行うのに限界を感じている事業者
- CRMツールやメール配信ツールと連携し、タグを軸にしたセグメント配信を強化したい事業者
- カスタマーサポートの初動対応で「どの経緯で購入した顧客か」をすぐに把握したい事業者
- 開発リソースを割かずに、ノーコードで業務自動化を進めたい小〜中規模のショップ運営者
向いていないケース
- すでに外部の高度なCRM・BIツールで注文データを一元管理しており、Shopify側でのタグ管理が二重管理になってしまう事業者
- ディスカウント施策自体がほとんど発生せず、タグ付けの自動化による恩恵が小さい事業者
- 過去の膨大な注文データに対して一括で複雑な条件判定をかけたいなど、Flowの標準機能の範囲を超えた要件がある事業者(この場合はカスタムアプリ開発の検討が必要です)
タグの命名ルールを決めておくと運用が楽になる
自動タグ付けを長期運用していく上で意外と重要になるのが、タグの命名規則をあらかじめ決めておくことです。キャンペーンが増えるたびに担当者が思いつきでタグ名を付けていくと、似たようなタグが乱立し、後から検索・集計する際に「どの表記が正しいタグなのか」が分からなくなってしまいます。たとえば、次のようなルールをあらかじめ社内で共有しておくと、運用が格段にしやすくなります。
- キャンペーン系のタグには「campaign_」、シーズン系のタグには「season_」など、プレフィックスで種類を分類する
- 年月を含める場合は「2026_07」のように統一したフォーマットで揃える
- 全角・半角、大文字・小文字の表記ゆれをなくし、原則として半角英数字のみで統一する
- タグの一覧表をスプレッドシートなどで管理し、新しいキャンペーンを始める際は必ずそこに追記してから設定に着手する
これらのルールを最初に決めておくことで、複数の担当者がそれぞれ別のワークフローを追加していっても、タグ体系が破綻せず、後から横断的な分析がしやすい状態を維持できます。
実行履歴の見方をもう少し詳しく
前述の通り、タグが意図通りに付与されない場合は「実行履歴(Run history)」の確認が第一歩になります。Flowアプリのダッシュボードで対象のワークフローを開き、「実行履歴」タブを選択すると、これまでにトリガーが発火した回数と、それぞれの実行結果(成功・条件不成立・エラー)が時系列で一覧表示されます。個々の実行結果をクリックすると、トリガーで受け取ったデータの中身、条件判定の結果(true/false)、アクションが実行されたかどうかまで、ステップごとに詳細を確認できます。
特に確認すべきなのは、「条件」のステップが「false」と表示されているケースです。この場合、そもそも狙った変数パスにデータが入っていない、あるいは値の表記(大文字・小文字、全角・半角など)が一致していない可能性が高いです。実行履歴に表示される実際の変数の値をよく見比べながら、条件エディタに入力した値を微調整していくと、原因を特定しやすくなります。
よくある質問(FAQ)
Q1. Shopify Flowを使うのに追加料金はかかりますか?
A. Shopify Flow自体はベーシックプラン以上であれば追加費用なしで利用できます。アプリストアからのインストールも無料です。ただし、他の有料アプリと連携するアクションを組む場合は、その連携先アプリの料金体系が別途適用される点には注意してください。
Q2. 一つのワークフローで複数のクーポンコードに対応することはできますか?
A. 条件ブロックで「OR」の分岐を組むことで、複数のクーポンコードを一つのワークフロー内でカバーすることは可能です。ただし、コードごとに付与したいタグ名が異なる場合は、コードの数だけ条件とアクションのペアを用意するか、コードごとにワークフローを分けて管理したほうが、後からの見直しがしやすくなります。
Q3. ワークフローを有効化する前の注文にも遡ってタグを付けられますか?
A. いいえ、Flowのトリガーは基本的にリアルタイムのイベント発生を検知する仕組みのため、有効化以前の注文には自動では適用されません。過去分に対応したい場合は、注文データをエクスポートしてタグ列を追加編集し、再インポートするなどの手作業が必要になります。
Q4. タグが正しく付与されない場合、どこを確認すればよいですか?
A. まずFlowアプリのダッシュボードから対象ワークフローの「実行履歴」を開き、トリガーは発火しているか、条件で不成立になっていないかを確認します。多くの場合、条件エディタで選択した変数パスが、実際のディスカウントの「適用方法×タイプ」の組み合わせと一致していないことが原因です。本記事のシナリオ別比較表を参考に、変数パスを再確認してください。
Q5. 注文タグと顧客タグ、どちらを使えばよいですか?
A. 用途によって使い分けるのがおすすめです。特定期間や特定キャンペーンの「注文単位」での売上集計・分析をしたい場合は注文タグが適しています。一方、そのキャンペーンで獲得した顧客に対して、今後も継続的にアプローチしたい(例えばリピート促進のメール配信対象としてずっと管理したい)場合は顧客タグが向いています。多くの事業者は、両方を同時に設定して使い分けています。
Q6. 複数のワークフローを併用すると処理が重くなったり、注文処理が遅れたりしませんか?
A. Shopify Flowはバックグラウンドで非同期に処理されるため、ワークフローの数が多少増えても、通常の注文処理速度やチェックアウト体験に影響が出ることは基本的にありません。ただし、ワークフローが乱立してくると管理が煩雑になりやすいため、命名規則を統一し、定期的に不要なワークフローを整理することをおすすめします。
まとめ
Shopify Flowを使ったディスカウント別のタグ自動付与は、「トリガー(Order created)」「条件(ディスカウントの適用方法・タイプに応じた変数パスの指定)」「アクション(Add order tags/Add customer tags)」という3要素を正しく組み合わせるだけで実現できる、非常に費用対効果の高い自動化施策です。ポイントは、事前に自分が対象とするディスカウントが「自動ディスカウントかクーポンコードか」「注文・商品・配送のどのタイプか」を明確にし、本記事のシナリオ別比較表に沿って正しい変数パスを選択することです。ここさえ押さえれば、設定自体はノーコードで数分〜十数分程度で完了します。
一方で、過去注文への遡及適用ができない点や、ディスカウント名称の変更に弱い点など、運用上気をつけたい落とし穴もあります。実際にどの粒度・どの範囲までタグ設計をすべきかは、自社のキャンペーン運用体制やCRM活用の状況、将来的な拡張要件まで踏まえて総合的に判断する必要があり、自己判断だけでは見誤ってしまうことも少なくありません。迷った際は、EC構築と集客の両面を見渡せる専門家に一度相談し、客観的な視点で自社に合った進め方を整理してもらうことをおすすめします。

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